平飼いとは 平飼いとは

小林農園の平飼い

平飼いとは

平飼いとはケージ(鳥かご)飼いではなく、平らな地面の上で放し飼いの状態で飼育する方法です。自由に動き回れるので体力がつき、病気になりにくい健康な体に育ちます。鶏たちは一日中地面をかき回したり突いたりして昆虫を探したり、穴を掘った地面に体を擦り付けて砂浴びをしています。砂浴びによって羽毛についた汚れや寄生虫を落とし体を清潔に保っています。

その他にも狭いところに隠れて卵を産んだり、50~60センチほどの高さの木の上で眠ったりと、鶏本来の行動を制限しないことで、できるだけストレスを与えないようにすることで、薬に頼らなくても健康で丈夫な鶏に育ちます。

一般的な養鶏

日本の養鶏場の約90%以上が鶏をかご(ケージ)の中で飼育する「ケージ飼い」で鶏を飼育しています。無窓養鶏場(ウインドレス)の鶏舎で敷地いっぱいに並べられた小さなケージに何羽も詰め込まれ動き回ることのできないスペースの中で飼育されます。作業効率は非常に上がるので人件費・設備費などのコストを削減できるので、卵の大量生産・安価での供給を可能にしています。

しかし、ケージの中で動き回れない鶏は病気にかかりやすく、予防のために抗生物質や抗菌剤を与えられます。生産者の都合で卵が転がるほど傾いたケージでは、砂浴びも地面を掘ったり突いたりもできません。ストレスで羽をむしり合っていることもあり、鶏という動物の本来の姿とはかけ離れた環境で卵を産み続けています。

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一般的なケージ飼い

ケージ飼い
  • 大量生産・安価供給できる
  • 身動きの取れない狭い空間で多数飼育
  • ストレスや運動不足により病気になりやすい
  • 体力がないので病気になりやすい
  • 互いにつつき合い鶏の羽がボロボロに

小林農園の平飼い

小林農園の平飼い
  • 自由に走り回り、餌を食べ、砂浴びや日光浴ができる
  • 運動するので病気になりにくい健康な鶏になる
  • 病気になりにくいので薬が必要ない
  • 土地面積が必要で、手間がかかる
  • 動物の本能・習性に生産量が左右される

鶏の砂浴び

鶏の砂浴びは鶏にとってはお風呂に入っているようなものです。体がすっぽりと入るくらいの穴に収まって地面に体をこすり付け羽や皮膚についた汚れや寄生虫を落とします。その他にも足を器用に使って全身砂まみれになるくらいの砂をかぶり、一通り砂を浴び終わって満足したら羽を立てながら全身を震わせて勢いよく取り除きます。平飼い飼育している鶏たちは自由に砂浴びをします。

鶏の砂浴び

夜は止まり木で寝ます

鶏達は日が暮れ始めると、一斉に高いところを求めてウロウロし始めます。これは、身を守るための場所を本能的に探しているからです。ケージ飼いの鶏舎には、もちろん止まり木はありません。小林農園の平飼いは「鶏達の本能的な欲求をできる限り満たす」ということを大切にしているので全羽数が乗れるだけの止まり木を用意しています。

平飼い(屋外放し飼い)

外に出られる扉があります

鶏舎から自由に外に出られるようにしています。天気の良い日は、外に出て太陽の光を浴び、太平洋から吹く潮風に吹かれて気持ちよさそうに過ごしています。

※渡り鳥の飛来する季節などは、鳥インフルエンザ対策として屋外の放牧を休止するようにしています。

ほとんど放し飼い

北海道の大自然には、鶏を狙う野生動物がたくさん生息しています。柵などで囲わずに完全な放し飼いを行ってしまうと、きっと日に日に鶏が少なくなってしまうでしょう。外敵から鶏を守るため、屋外スペースに囲いをつけているので「放し飼い」や「放牧」といった表現はしていませんが、広い範囲を自由に動き回るので、実際は放し飼いなのかもしれません。

放し飼いの危険性
広い平飼い鶏舎

いくら平らな地面の上で飼育する「平飼い」とはいえ、狭いスペースにたくさんの鶏を詰め込んでしまっては、自由に動き回れないケージ飼いと変わりません。小林農園では1坪あたり7~8羽になるように鶏舎を設計しています。

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過密な平飼い

過密な平飼い

小林農園の平飼い

小林農園の平飼い

薄飼い(うすがい)厳守!

小林農園では現在、7000羽程度の鶏を平飼い飼育しています。平飼い専業農家としては多い方ですが、一般的な養鶏場は何万羽という数を飼育していますので、養鶏規模はかなり小規模です。小林農園が小羽数平飼い養鶏にこだわる理由は、鶏1羽1羽に十分に目が行き届く飼育がしたいからです。また、平飼い鶏舎の広さも1坪あたり7~8羽と、一般的な平飼い鶏舎に比べ、2倍程度の広さを確保しています。このため、狭くて鶏達が密集してしまう鶏舎に比べ、見通しがよく、鶏1羽1羽によく目が届きます。
さらに、毎日4~5名のスタッフが鶏の世話を担当するので、ちょっとした異変も見逃しません。

悪臭とは無縁です

養鶏場と言えば、「臭い、汚い」というイメージが強いかもしれません。実際のところ、あながち間違っていません。特にケージ飼いの場合は、鶏糞が土に吸収されることなく湿った状態で集められるので、きつい悪臭が発生することがあります。平飼いの場合でも、過密な飼育面積や、不十分な換気により鶏糞が乾燥せずに湿った状態になると、悪臭を放ちます。
小林農園の平飼い鶏舎は、超がつくほどの薄飼いを実践していること、太平洋から吹く潮風により換気されることで鶏糞が湿った状態で残ることがありません。また、鶏舎の地面が舗装していない「土」なので、鶏糞は土や草と混ざり水分が吸収されて乾燥します。微生物による自然分解も行われます。養鶏場特有の臭いはほとんど発生しません。

オスもいるので有精卵が産まれます

鶏はメスだけでも卵を産みますが、鶏も生き物です。広いスペースでオスとメスが接触できる環境で育てた方が、生理的にも健康な状態を維持できるのではないかと考えます。小林農園では、オスも一緒に生活するので産まれる卵は有精卵です。

※有精卵の表示基準である「メス100羽に対しオス5羽の割合で自然交配が可能な飼育環境」を満たしていますが、動物ですので、受精確率は100%ではありません。

有精卵とは

卵には【有精卵】と【無精卵】があります。その違いは、温度などの条件が揃うとヒヨコになるのが「有精卵」、どんなに上手に温めてもヒヨコにならないのが「無精卵」です。一般的にスーパーなどで売られているケージ飼いの卵は、ほとんどがメスのみで飼育するので無精卵です。

有精卵と無精卵の違いは?

有精卵と無精卵に栄養価や味の違いはほとんどありません。しかも、オスは卵を産まないのにエサは食べるので、メスのみを飼育するよりもコストがかかります。それでもオスを一緒に飼育する理由は、ケージ飼いではなく平飼いを選んだ理由と同じで、鶏に元気に暮らして欲しいからです。

世界の養鶏事情

世界では平飼いが広がっています

日本では一般的な鶏の飼い方である「ケージ飼い」は、海外では「バタリーケージ」と呼ばれ、禁止・規制している国がたくさんあります。高く積みあがったケージに鶏を詰め込み、生産性だけを重視した飼育方法は、アニマル・ウェルフェアという動物福祉の観点からEU諸国では2012年に禁止されました。平飼い(ケージフリー)または、動き回ることのできる広さのケージ飼い(エンリッチドケージ)で飼育することが義務づけられています。近年では、広さを問わずケージ飼育を廃止する動きが強くなっています。また、EUでは、鶏の飼育環境をパッケージ記載するなど、鶏がどのように飼育されたかを消費者が知ることができます。

EUのほかにもアメリカやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどでも、バタリーケージを抑制する動きにあります。ケージフリーの卵しか取り扱わないと表明する飲食・小売り・ホテルなどの大手企業も増え、世界ではケージで鶏を飼育することを廃止していく方針が強くなっています。日本ではまだ少数派の「平飼い」という鶏の飼育方法ですが、きっとこれからはもっと増えていくのではないでしょうか。

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